飲食店の需要と供給

安いのに、うまくて、感じがいい店がある一方で、なぜ安くもないし、うまくもないし、感じも良くない店がなぜ世の中にはいっぱいあるのか急に腹が立ってきたので、その理由について考えた。

まず、人気の店は、いつも混んでいて、いい店の供給というのは足りているように見えない。

つまり、消費者のいい店への需要はあるのに、十分ないい店の供給がないため、いい店はいつも過剰に混むor予約がとれない状態になってしまっているのであろう。

本来なら、マーケットメカニズムが働き、悪い店が淘汰され、いい店が増え、店の過剰な混雑は解消されるべきである。

なぜ、それが現実には起きないのか。そこには、いい店の供給を制限するなんらかの要因があるからに違いない。

考えられるのは、飲食店は、(1)店という不動産を必要とするため、初期投資が大きいため参入障壁が大きい、(2)飲食店に適した立地は限られており、立地がよければ内容はそこそこでもやっていけるため、適した土地が空かない(これは、バチカン市国にある周囲のローマの店と比べて異常にまずいレストランが存続していることが格好の例だと思われる。ここのまずさは、罰当たりなレベルだが、システィーナ礼拝堂を出てすぐという好立地と、旅行者=一見さん中心という顧客構成から成り立っているビジネスである)、の二点が理由だろう。

(1)について言えば、(A)いい店に対する消費者の需要といい店の供給曲線以外に、(B)飲食的に適した土地の需要と供給曲線の問題が潜んでおり、適切なマーケットメカニズムの機能が阻害されているといえる。

一方で、(2)の問題はファイナンスで解決できそうな気がする。たしかに、飲食店は水物であり、シニアローンを供与はためらわれるが、個々の飲食店に関するユニークリスクを減少させる(バルクで出資して、10個に1個当たれば大丈夫にするとか?)方法があれば、いい店の出店を後押しできる気もする。

そういえば、最近東京で見かけるワゴン車での飲食サービス(渋谷でケバブ売ってる人とか大手町でコーヒー売ってる人とかのこと)は、両者に対する一つの解答なわけですね。