突然ベトナム 〜三日目・ムイネー〜

朝、5:00。扉をノックする音がする。

ムシ。
眠い。

まだ、叩いている。
何の用かは分かっている。

昨日、5時発の「砂丘で朝日を見る感動ツアー」を申し込んだのだ。

眠い頭で「このまま寝ちゃう気持ちよさ」と「美しい朝日を見る感動」を比較。僅差で「美しい朝日を見る感動」が勝利を収め、むっくり起き上がった。ツアーの兄ちゃんに謝り、身支度を整え、出発。

ノーヘルでバイクにまたがり、しばらくすると気づいたのだがベトナムとはいえ、早朝は寒い。
しかも、ドライバーの兄ちゃんはグイグイとスピードを上げていく。小さい村だし、どうせ10分くらいで砂丘に着くだろうと甘く見ていたのだが、いつまでたっても泊まる気配がない。

「そもそもこの兄ちゃん信用して大丈夫なの?」って不安と「うわっ、まじ海やばい!」って感動が代わる代わる押し寄せること40分強。ようやくバイクは砂丘に着いた。

砂丘は砂しかなかった。
そして、陽はすでに上っていた。
でも、なんだか心が洗われた。

砂丘を下り、入り口に戻るとバイクの兄ちゃんが家兼Cafe(というか道端にプラスチックの椅子があってコーヒーも飲める謎のスペース)で和んでいる。初めてまともに顔を見たが、バイクの兄ちゃんは笑顔の素敵なナイスガイだった。信用してなくてごめん。

コーヒー飲むか?と聞かれたので、飲むと答え、席につく。Cafe(もどき)には子犬と猿がいる。この子犬が死ぬほどかわいくて写真を撮っていたら、フィルムがなくなった。後2日以上あるのに…。

しばらくするとコーヒーが出てきた。しかも、氷の入った空のグラスも一緒だ。ここに移して飲むというのだろうか?お店の家族は感じもよく期待に応えたいと思う反面、衛生面では明らかに0点の店だ。できれば氷は使いたくない。しかし、コーヒーを一口飲んでみるとドロッと特濃ベトナムコーヒー。このままでは頂けない。

覚悟を決め、エイヤッ。

恐る恐る飲んでみる。スタバよりうまい!

40円くらいだった。